華月様から素敵な頂き物!  カノン瞬

華月様よりいただきましたv  月下美人       



皎皎たる寒月の下。
たったひとりで星を眺めていた瞬の許へ、溜息をつきつつ、カノンが歩み寄る。

「何をしている」
「…星、見てるの」
「風邪を引いても知らんぞ」
「引かないよ。聖闘士だもの」
「聖闘士とて生身の人間だ。病を患うことだってある」
「わかってるよ。でも僕は平気だから」

言葉は返すが、瞬の目線は天空へ向けられたまま。
口調も、どこかそっけない。
どうやら、昼間のことが、まだ引っかかっているらしい。

「勝手にしろ」

呆れ半分意地半分といった様相で、カノンが踵を返す。
それを背で感じながら、瞬は、カノンに気付かれないように、そっと白い息をこぼした。

「…わかってるんだけどね」

一言。

たった一言で済むはずなのだ。
このぎこちない空気を一掃させられる言葉。
たったひとつの気持ち。
今が、絶好の機会だったはずなのに。

「バカだな…」

呟き、それと同時に、胸が締め付けられるような感覚に襲われ、また、息を漏らす。
見上げていた月の輪郭が、まるで霞がかかったように、ふっと曖昧になった。


ややあって。
再び、ひとの気配を感じ、瞬は無意識に身体を硬直させた。
一歩、また一歩と、足音が近づく。
その足音に連動するかのように、胸の鼓動は、外まで響きそうなほどに、強さを持って脈打っていた。
眼は、星を、月を見ているはずなのに、ものを見ている気がしない。
いっそ逃げ出したい。
そんな、後退的な考えが頭をよぎったと同時に。
真後ろで、足音が止まった。

静寂の間。
息が苦しい。
まるで陸に打ち上げられた魚のようだ。

とにかく、何か言わなければ。
この機会を逃せば、きっと後悔する。

瞬は口を開き。


そのまま、息を呑んだ。


ふわりと、自分の両側で何かが舞ったように見えた後、
感じた、重みとぬくもり。
それが、毛布ごと自分を包み込んでいるカノンの腕であると気づき、
知らず、身体が強張った。

「な…にしてるの」

やっとの思いで搾り出した声は、滑稽なほどにかすれていた。

「おまえに何かあったら、誰が面倒を看ることになると思っているのだ」
「別に…あなたに面倒を看てもらおうなんて思ってないよ」
「俺とて、看たくて看るわけじゃない。だが、仕方がないだろう」

腕の圧迫が強まる。
まるで、僅かな隙間もつくるまいとするかのように。
カノンの息遣いを、すぐ傍で感じた。
低音の声が、響く。


「おまえは、ここにいるのだから」


音が、消える。
今度こそ。
瞬は、言葉をなくしてしまったかのように、唇を開いたまま、動けなくなった。

そんな瞬を感じながら、カノンが、仕方なさそうに笑みを浮かべる。
この少年を真から捉えるのは随分と根気の要ることだと、この先の自分を予測しながら。

つと顔を上げると、そこには、きれいな弧を描いた、黄水仙色の月。
その月を見つめながらも、カノンの腕は、まるで逃すまいとするかのように、
少年の鼓動を追い続けていた。


師弟!?

月下美人」の華月さまに押しつけたカノンと瞬↑ですが
華月さまが素敵なストーリーをつけて下さったので、こちらに移動いたしました。

うわ〜〜〜〜〜ん!ありがとうございます〜〜(号泣)

瞬ってば、カノンを困らせたりして・・・悪い子!(笑)
「僕は平気だから」なんて言っちゃって、もう!素直じゃないんだから。
華月さま、凄いです。まさに鬼瞬的な瞬です。
瞬に膨れられたら放っておけないですよね?ね〜、カノン(笑)

それにしても・・・昼間、何があったんですか?
気になります・・・。

下部のリンクから鬼瞬的Befor、Afterがご覧いただけますよw
こちらも、華月さまに「こんなことがあったのでは?」と申したところ、
サクッとお話にしてくださったので、4コマにしてみました。
かなりぎぃの脳内でねじ曲げられているので、
きっと、華月さまビジョンをブチ壊すこと請け合い♪


20040305