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白。| 6
朝日が眩しい部屋の中、ヘイハチは白いシーツに包まれたベッドで目を覚ました。
「……ゆ……め……?」
まだ重たい瞼をこすりながら隣を見ると、
キュウゾウがこちらに背を向けて眠っていた。
露わな白い肩が眩しい。
キュウゾウの腰に回されていた手は、キュウゾウのしなやかな指を絡めとり、握り込んでいた。
確かめる様に、ゆるく力を込めてみる。
すると、無意識だろうに、キュウゾウの手もまた、ゆるく握り返して来た。
ヘイハチはそっと身体を起こすと、腕の中の眠り人を覗き込んだ。
うっすらと開けた桜色の唇から微かに安らかな寝息をこぼし、
キュウゾウは眠っている。
どこかあどけないその表情に、ヘイハチはこころが温まってゆくのを感じていた。
「キュウゾウ……」
ヘイハチは、囁くように名を呼んだ。
キュウゾウは、ん……と小さく声を漏らし、ほんのりと微笑んだ。
おしまい。