アルコールスパイラル 〜Happy Halloween 2009 | 2
<プロローグ 白猫>
宴もたけなわ、いやあ世界最強の男たちがコスプレでしたたか酔っ払ってんのはいつだって壮観、壮観。あ、今、酔っ払って魔鈴さんの仮面に手をかけたアイオリアがすっ飛ばされました。
「盟、おつかれー」
おお、我が愛しの弟君・瞬よ。
去年、俺は師匠の命により、瞬を黒猫ボンテージに仕立て上げた罪で、アフロディーテに108本の魔宮薔薇を投げられました。でもアフロの手元が危うかったので3本くらいしか刺さりませんでした… 煩悩に侵されていたせいと思われ。そのうえ何故か
シュラまで、師匠に斬鉄剣を喰らわせていました。
今年はアフロが、瞬の仮装は自分が決める! と言い張ったのだけど…
「…瞬、今年も猫なのか?」
「あ、これ? アフロが」
白猫である。露出度こそ少ないものの、たっぷりシフォンに猫耳尻尾のホワイトロリータ。ある意味、去年の黒猫よりヤバい。
「アフロの趣味なら抵抗ないのかよ」
「んー…」
抵抗しろ。
「盟、ブラッディマリーくれ」
「あー、はいはい」
ミロだ。これは彼の、そろそろ酔いが回ってきたかたなというタイミングのオーダー。無節操に見えて、あんがい自覚のある人だと思う。濃いやつ作るけど。
「瞬、ちょっと待ってな。お前にもノンアルコールのやつ作ったる」
「ホント? ありがと!」
みんな大好きシャーリーテンプルでもと思ったが、ふと、こいつ普段ちゃんと食ってるのかなあという心配がよぎる。トマトジュースを手に持った手前、そうだこいつにはヴァージンマリー(ブラッディのウォッカ抜き)にセロリでも添えようと思い立つ。
本当はヴァージンってネーミングにウケただけだけど。
「ミロ、お待ち。はい、こっちは瞬坊」
手に取るが早いかミロがごくごくと飲み干す。一方の瞬は
「えートマトジュース? 盟、お母さんみたい」
と笑いながら、それでもぐいと飲む。
ところがである。
「盟、これアルコール抜き?」
ミロが尋ねる。
「え、ちゃんとウォッカたっぷり入れ…」
待て。待てよ俺。
嫌な予感がして振り向くと、瞬の目つきが既にやばかった。
「何これ? でも、けっこうおいしー」
と言いつつ、更にごくごくごく。
そーよねーウォッカベースは飲みやすいから初心者さんにもお勧め!
なんつって…
見守ることにする。