イオ瞬
通り雨
次第に強まる雨の中、ようやく商店の軒先に走り込み、瞬はほっと息をついた。
もうとっくに店じまいされたショーウインドウは、雨を映して仄暗い。
見事に濡れ鼠になった瞬は眉を寄せ、空を見上げた。
「困ったなぁ…大丈夫だと思ったんだけど」
小降りだったし、家まで走ればいいと思った。しかし予想は外れ、進むごとに雨脚は強まるばかり。
家からはまだ距離はあるのだけれど、たまりかねてこの軒先に飛び込んだのだ。
したたか濡れてはいるが、暖かい季節だから風邪をひく心配はない。
それでもこのまま土砂降りの中を走るのは気が引けた。
「…どうしよう」
雨は未だ弱くなる気配はない。