それは甘い恋の味 | 4

「んっ…、け…いじ…殿。」

そのまま軽く触れ合わせる程度のキスを数回繰り返していた二人だったが、慶次が舌を差し込もうとした時、幸村がドンドンと彼の胸を叩き抵抗しだした。

どうしたのかと思い掴んでいた手を離すと、幸村は凄い勢いで息を吸っている。

「だ、大丈夫かい?」

「はぁはぁ…、某、あのまま窒息するかと思いました…。」

幸村には初めての経験だったので、息の仕方が分からなかったらしい。

「大げさだなー!ああいう時は鼻で息をすればいいんだよ!」

「鼻でございますか?」

「あぁ!で、初の接吻のお味は気に入ったかい?」

「けっ、けけ慶次殿!今なんと…?」

慶次が接吻という言葉を出した途端、さっきまでおとなしかった幸村が騒ぎだした。

「ん?だから、俺との接吻は何味がしたんだい?あっ、ちなみに俺はりんご味だったな!」

「りんご味…?接吻…?はっ!某はなんと破廉恥なことを…!」

そう言うと幸村は、頭をかかえてしゃがみこんでしまった。

その様子だと、慶次に言われるまで自分のしていた事が何なのか分かっていなかったのだろう。

「破廉恥なんかじゃないって!皆してることなんだし。なんだったらもう一回してみるかい?」

「こっ、こないで下され!破廉恥であるぞ!」

調子にのった慶次が二度目のキスをしようとした時、幸村はお決まりの台詞を叫んで逃げようとしたが、慶次がそれを許すはずはなかった。

「離してくだされ…!」

幸村が逃げるよりも早く、彼の身体を抱きしめて身動きできないようにしたのだ。

「駄目だ!さっき息の仕方教えただろ?あれ、試してみなって!」

「結構でござる…!んんっ…、はぁ…。」

「そんなこと言ってるわりには、気持ちよさそうに見えるぜ。たまには破廉恥もいいもんだろ?」

結局、拒むことが出来なかった幸村は、祭り終了間際にあがる花火の時間まで、慶次にされるがままだったらしく、祭りから数日たった今も機嫌が悪いらしい。

一方、当初の目的であった"手を繋ぐ"は達成できなかったものの、それ以上の行為が出来た慶次は大満足だったそうだ。


-END-