Forbitten Love | 6

アフロディーテの想いは十二宮、黄金聖闘士たちの中で知らぬ者などいなかった。
それほどにアフロディーテの視線はいつも瞬を追っている。
それと同時にアフロディーテが抱える想いも全員理解していた。
かつては裏切り者。
女神とわかり刃をむけた。
拳さえ交えた相手。
そう、それだけであるならばサガやデスマスク、カノン等もいる。
だがアフロディーテにはもうひとつ、心に闇を落すものがあった。
それは己が瞬の師を抹殺した過去。
己は女神の慈悲により甦り、だが瞬の師は甦ってはいない。
そういった想いからもアフロディーテが己の想いを瞬への想いを
心の中にしまいこんでしまっていることを、皆知っている。
「考えすぎなんだ。…過ぎてしまったことは変わりはしねぇのによ…」
苦々しく呟くのはデスマスク。
シュラは何も言わない。
他の者も。
自分で乗り越えるしかないことだと。
多かれ少なかれ、皆似たような、同じような経験はしているのだ。
己の中で決着をつけるしかないことを知っている。
「アフロディーテの心はまだ、完全に地上に出てはいないのかもしれませんね」
いつか哀しげにムウが呟いた。
その横で貴鬼が不思議そうにムウを見上げていた。
“私は貴方と言う弟子を育てる義務がありますからね”
言外に、だから私は大丈夫ですよ、と含ませて言う。