イオ瞬
通り雨 | 4
瞬は一旦家に帰って携帯を取り、仔猫を見つけた場所にまた戻ろうと思っていた。
段々と雨脚は強まっていたけれど、自分の足なら走れば往復で10分かからずいけるだろうと踏んでいた。
それまで仔猫が濡れては可哀相だと思い、傘を置いて来たのだ。
もしかしたら、傘が目印になって誰かが拾ってくれるかもしれない。
無責任なようだが、それならそれでいいと思った。
だが、雨は勢いを増し、瞬が商店の軒先に走り込んだ頃にはまるで滝のようになっていた。
瞬から滴り落ちた雨水が足下にみるみる水たまりを作っていく。
仔猫を連れていなくても、これでは結局兄に叱られる……。
瞬は自分の有様を見下ろすと、しょんぼり肩を落とした。
それでも行かなければ、と瞬が再び雨の中に飛び出そうとした時、目の前によく見知った傘が現れたのだった。