双碧のやすらぎ

 カノン瞬

 vacances バカンス | 8

ひとしきり遊んだ後、新鮮な魚介がメインのディナーを堪能した二人は、月明かりが照らす海を眺めながらリビングのソファに並んで腰掛け、ワインを傾けていた。

心地よい疲労感に酔いも手伝って、ほんのりと頬を染めた瞬がカノンに寄り添った。
ふぅっと息をつく姿が昼間の活発な印象と対照的に、しっとりとした艶を含んでカノンを惑わせる。

カノンは、心持ち伏せられた長い睫毛から覗く瞬の澄んだ瞳を見下ろし、その肩を抱き寄せた。

顔を上げた瞬の目が、カノンの深い藍色の瞳とぶつかる。その時、カノンの穏やかな瞳の奥に燃え上がる紅炎を見た。 はっとして思わず身体を引きかけた瞬を、カノンは強い力で引き寄せる。そしてそのまま微かに震える瞬の唇に、自分のそれを落とした。
それは、カノンの腕の力強さとは裏腹な優しい口づけだった。



瞬はゆっくりと目を閉じた……。