カノン瞬
vacances バカンス | 10
離すまいとするかのような腕の力はそのままに、瞬は切なく眉根を寄せて潤んだ瞳にカノンを映していた。
「……カノン……好き……だから」
そう言うと瞬は、恥ずかしそうに俯いてカノンの胸に顔を埋めてしまった。
可憐な仕草にどうしようもない愛しさが込み上げる。カノンは堪らず瞬を強く掻き抱いた。
「……いいのか?」
耳元で熱く掠れるカノンの声に、瞬はこくんと頷いた。
カノンは瞬を抱き上げると、ゆっくりとベッドルームへ運んでいった。
優しく差し込む月光が、ベッドを照らしている。
カノンは、純白のシーツへ瞬をそっと横たえると、ぬくもりを確かめるかのように瞬の頬に手を添えた。
真摯な眼差しで瞬を見つめるカノンが、噛み締めるように言葉を紡いでいった。
「…瞬…愛している…」
瞬は彼の手に自分の手を重ねると、やわらかく微笑んだ。
「…僕も…愛して…」
その言葉を言い終わらないうちに、瞬の唇はカノンの深い口づけによって塞がれてしまった。
二人の影が重なり、さざ波の音と瞬の甘やかな吐息だけが辺りに響いていた。