抜け駆けなんて許しません! | 4

「ひっ…、来るな!」

身の危険を感じた幸村が必死に後退るが、そんな抵抗も長くは続かずついに壁際まで追い詰められてしまう。
伸びてくる二人の腕にもう駄目だと目を瞑った時、政宗と佐助がいた方向とは別の場所から腕が伸びてきて身体を引き寄せられる。
自分を庇う意外な人物に幸村は開いた目を驚きで見張った。

「片倉殿…!?」

「政宗様…!真田が怖がっているではありませんか!まったく貴方というお人は…、あれほど迷惑をかけるなと申したというのに…。」

「小十郎!?なんでてめぇがここにいんだよ?つうか別に迷惑なんざかけてねぇだろうが!さっさと幸村寄越せ!」

部下達に命じて城から出られないようにしてきたはずの小十郎が目の前に呆れ顔で立っている事に驚きを隠せないでいた政宗だったが、すぐにだいたいの見当がついたらしく、いつもの調子で幸村を取り返そうと必死になっている。

「この小十郎、いくら政宗様のご命令とは言え、それに従うことは出来ませんな。真田、走れるか?」

「えっ…?あっ、はい…!」

幸村の返事を聞いた途端、小十郎は幸村の手を強く掴んで走って部屋から逃げ出した。

「ちょっ、旦那!?どこいくのさ?てゆうか何この状況?いきなり過ぎて俺様ついていけないんだけど、ちゃんと説明してよ!」

「うるせぇな…!とりあえず二人を追いかけるぞ!」

走り去る小十郎と幸村に動揺を隠しきれなかった佐助はとりあえず政宗に説明を求めたが、それは政宗も同じだったらしく、一言そう呟いたあと二人を追って部屋から出た。